やくぶろ!

薬剤師2人の、日々感じること、学んだことの備忘録的な。

インフルエンザ その①

こんにちは、まさです。
最近、よく朝の情報番組などでインフルエンザが取り上げられていますね。もうそんな季節か。

話題の新薬

話題の新薬である、ゾフルーザも取り上げられていました。
最近はネットでもテレビでも、お薬の情報が簡単に手に入るようになっています。その分、不正確な内容や偏った内容などが多くみられる気がします(特にテレビ)。
自分の手にした情報が本当に正しいのか、一部分の良いところだけ切り取られた情報じゃないか、など、少し批判的に情報を判断することが、この情報過多な世界では大切かと思います。

とはいうものの、自分もインフルエンザの正しい情報を持っている自身がなかったので少し調べました。

インフルエンザってどうやって増殖したっけ

インフルエンザの治療薬について勉強するなら、インフルエンザの増え方を知らないといけないですよね。
細かいところを忘れていたので、復習しました。

1:インフルエンザウイルスが体に入る
2:ウイルスのHAと細胞のシアル酸が結合
3:細胞がウイルスを飲食作用で取り込む
4:ウイルスが細胞内で脱核←アマンタジン
5:ウイルスのキャップ依存性エンドヌクレアーゼが、宿主のmRNAのキャップ構造から少しを先を切る←ゾフルーザ
6:その3‘末端とvRNAを使用して、ウイルスのmRNAを作成
7:vRNAから2回RNAポリメラーゼで読み込んでvRNA複製←アビガン
8:複製したvRNAが細胞膜付近へ、HAなどのタンパクも膜表面に
9:出芽、ノイラミニダーゼで細胞とウイルスの結合を切る←タミフルリレンザ、イナビル、ラピアクタ

こんな感じですかね。
もっと簡単にすると、

①ウイルスが細胞に取り込まれて、細胞内へ←シンメトレル
②ウイルスのRNAが増殖←ゾフルーザ、アビガン
③ウイルスが細胞外へ放出される←タミフルリレンザ、イナビル、ラピアクタ

こんな感じ。かなりざっくりですが、こっちの方がイメージしやすいですね。

インフルエンザの増殖は速い

インフルエンザは増殖が速く、潜伏期間が短いです。おおよそ1~2日程度潜伏したのち症状が現れます。症状の出始めのころはまだウイルス量はそこまで多いわけではなく、検出キットでも陰性が出ることがあるようです。そのため、検査自体は症状が出始めてから12時間以降が推奨されています。

増殖のピークは3日目頃になることが多いようですが、ピーク前後もウイルス自体は排出されているので、他人にうつさない対策はもちろん必要です。

また、インフルエンザの処方としてよく出る③の段階に効果のある薬は、ウイルスが放出されるのを抑える薬であり、増殖自体を抑えるわけではありません。ですので、症状が出てから48時間以内に投与する必要があります。増殖のピークを過ぎてからでは遅いわけです。

インフルエンザになったら出勤停止?

学生の場合、学校保健安全法で出席停止の規定があります。
しかし、社会人の場合は法律に定められているような規定はなく(季節性の場合)、会社の規定に従うことになります。(季節性と新型では扱いが違うようです。詳しくはこちらを参照http://www.sr-suzuki.jp/business/page00/0_17_06.html

薬の各論もまとめようかと思ったのですが、長くなりそうなのでそれは次回以降で。
今回はここまでにします。

まさ